医師の情報サイト:プロの病院経営 医療系コンサルタントが執筆しています。

日本の医療保険政策

main

3番目に日本の医療保険政策の一環としての特定健康診査・特定保健指導を見てみよう。

こちらも実は理念がよく分からない。

医療保険政策に取り入れられた際の具体的使命は,新自由主義の色彩が強かった経済財政諮問会議による「公的医療費総枠論」に対応することであったと理解することもできる。

期待された価値は長期的に見た生活習慣病関連医療費の上昇抑制だった。中核概念は,一般市民にまで(ただし多くの場合肥満の言い換えとして)広く普及した「メタボリック・シンドローム」である。

また政策論上の中核技術として,後期高齢者支援金の削減という強い金銭釣インセンティブも制度に組み込まれた。

団塊の世代が全員75歳を超える2025年を目標年として,わが国の高齢者ケア分野は明確な戦略を採択した。

そこでの理念は,「尊厳ある自立の支援」を最上位概念に「生活の継続・固別性尊重・自己能力活用」が加わった。

新たな戦略の中心的な便命は「地縁血縁の弱い(都会近郊)高齢者増への対応」である。

人口高齢化が早かった県では2015年以降,いまや高齢者の絶対数はさほど仲びないのに対し,関東・関西・中部の大きな都府県ではこれから75歳以上人口が急増していく。

新戦略が生み出すべき価値は,専門用語で「住み慣れた地域での在宅限界上昇」と表してよい。

もっと口言的な言葉で表現された期待される地域像は「ケア付きコミュニテイ」,そこで安心して年をとれる在り方は英語では「Ageing in Society」と呼ばれている。

これらは介護保険制度だけで作れるものではない。

そのために関係者が知恵を絞って到達した中核概念は,言うまでもなく「地域包括ケアシステム」である。

現在まさに発達途中の中核技術は,ケアの科学性と標準化,地域ケア会議、医療サービスとの連携・統合的提供体制,事業所の機能分析とそれに応じた報酬,定期巡回・随時対応型訪問介護看護および小規模多機能型居宅介護などと訪問看護の複合型,在宅生活を支えるリハビリテーション,生活支援サービスの工夫などが例として挙げられる。

以上の諸概念を(明示的に意識するかどうかは別として)利用し、自らの病院経営・法人経営を語れるか否かは、経営者のプロフェッショナルカの重要な要素と思われる。

医療系コンサルタント

Comments are closed.

Post Navigation