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日本の介護分野

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まず2000年に施行された日本の介護保険を取り上げてみよう。

わが国の介護保険制度の理念については,利用者本位をはじめいくつかのワーディングが用いられているが,中でも「自立支援」が最も本質的な理念に他ならない。

なお制度発足後に明らかとなった要介護認定者の中での認知症有病率の高さを踏まえ,2005年の法改正以来,この理念は「尊厳ある自立の支援」へと進化した。

保険制度に与えられた使命は,「未曾有の高齢者増への対応」に尽きると言ってよい。高齢者増は,決して核家族化や女性の社会進出のせいではなく,医療システムの整備に伴い,世界の経済的先進国が20世紀後半に一斉に直面した「人類史上初の局面」と理解しなくてはならないからである。

そうした環境を踏まえ,「中流層の介護ニーズ社会化=普遍化」こそが,介護保険が社会に生み出した価値に他ならない。

介護保険発足前にも,富裕層は社会保障制度の支援がなくとも自ら介護・看護サービスを購入できた。

一方,低所得層は社会福祉制度の対象となりやすかった。

これに対し中流層は,1990年代までのいわゆる「老人病院」に収容された人々を除き,家族介護しか手段がなく,もっとも困っていたためである。

1989年に始まったゴールドプラン以来の成果を活用しつつ,推進エンジンとしての介護保険制度の力で一挙にサービス需給量は拡大した。

この点に関する成功をリードした中核概念は「準市場」と表せるだろう。

準市場運営のために新たに開発された中核技術は,要介護認定,要介護度別区分支給限度額,ケアマネジメント,介護報酬(介護給付費)体系,現金給付事業者代理受領方式などに具現化していった。

医療系コンサルタント

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