医師の情報サイト:プロの病院経営 医療系コンサルタントが執筆しています。

プロフェッショナルの定義

main

現代日本において,プロフェッショナルという言葉は,「かなりの程度標準化された訓練課程や選抜課程を経てはじめて遂行できる職業に就いている人」を指して使われることが多い。

そのように理解したプロフェッショナルについては,本人が意識するか否かは別として,意思決定や行動に関して理論や一定の標準が存在する場合が一般的である(ただし上級者は理論が教える定石を超える行動をとれるだろうが)。

プロフェッショナルが遂行する職務はジェネラリスト型とスペシャリスト型に分けられる。スペシャリスト型の中でも,訓練課程がもっとも確立され,職務に伴う社会的責任を高く求められる職種の典型は,医師を始めとする医療専門職,弁護士など法律専門職,公認会計士など会計専門職であろう。

医療者は古代各地の文明発生以来,法律職もローマ共和国時代から活躍してきた。

一方,ジェネラリスト型プロフェッショナルの代表といえる経営者は,資本主義経済の成熟が生んだ新しい職業である。18世紀後半の英国を皮切りに資本主義市場経済が一国経済の過半を占めていく過程で,それ
までの商人・職人タイプの事業とは異なる近代的企業活動が推進役を担うようになった。ただし19世紀までは,書類作業を担当するクラーク層や,中間管理を担う店長・工場長・職長などがいたにしても,企業経営
に関わる意思決定は,出資者および親族などが行う形態が主流だった。

ジェネラリスト型プロフェッショナルとして想定(期待)されるもう1つの職種として政治家が挙げられる。政治家がスペシャリストとしてのバックグラウンド(主に法律家だが,現代では医療職もまれではない)を持つ例はよく見られる。周知のように政治家は新しい職業ではなく,古代ギリシアやローマに,テューダー朝英国にも,中国各王朝にも存在した。

19世紀後半になると,技術進歩を体現する設備・工場に投資する金額が大きくなるにつれ,企業の資本規模も従業員規模も大型化していった(例えば鉄鋼産業や鉄道産業)。さらに20世紀には拡大する消費者市場(自動車産業や食品産業)で活動する企業数も増大してきた。これらの変化とともにプロフェッショナル経営者の機能が広く求められていく。

やがて企業側が持つプロフェッショナル経営者に対する大きなニーズの存在が理解され,大学学部や大学院,ビジネス・スクール教育における経営リーダー教育が一般化していった。その時期は政治家に対するニー
ズに比べればごく新しく,19世紀末のアメリカ合衆国に始まり,経済的先進国でも20世紀後半と比較的最近の時代に属する。

医療系コンサルタント

Comments are closed.

Post Navigation