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病院経営に求められるプロフェッショナルな能力

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当サイトでは、今後の病院経営に求められるプロフェッショナルな能力について解説していきます。

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「地域一般病棟」の役割

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ここでは、「地域一般病棟」の概念をもとに、軽度―中等度の急性期疾患に対応する中小病院の2025年の役割について述べる。

中小病院においては、高額な医療機器を導入し、高度急性期医療を行うには、当然限度がある。

また、これからの地域のニーズもそれを求めていない。社会保障制度国民会議報告書「医療・介護分野の改革」においても、最初の項に「急速な高齢化は、疾病構造の変化を通じて、必要とされる医療内容に変化をもたらしてきた。平均寿命60代の社会で、主に青壮年期の患者を対象とした医療は救命・延命、治癒、社会復帰を前提とした「病院完結型」医療であった。

老齢期の患者が中心となる時代の医療は、病気と共存しながらQOL(Quality of Life)の維持・向上を目指す。

住み慣れた地域や自宅での生活のための医療、地域全体で支える「地域完結型」医療に変わらざるを得ない」と記している。

まさにここに、全日病が超高齢化社会がピークを迎える2025年を見すえて提唱してきた「地域一般病棟」の使命があると考える。

筆者が理解しているその役割は、

1.増え続ける高齢者の救急を含めた急性期医療に24時間対応する

2.症例によってはトリアージし高度急性期病院と連携を取る

3.地域の在宅療養支援診療所や訪問看護ステーション、さらには介護サービスなど在宅医療をバックアップする

4.病状不安定な患者を受け入れる

5.回復期や慢性期の連携が円滑である

という5点である。

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急性期の中小病院の立場

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これまで10年、病院を取り巻く環境は大きく変わってきた。しかし、いままでとは比較にならないほどのスピードで、これからの10年は激動し、それぞれの病院のあり方そのものが問われる時代になるものと思われる。

このような時代にあって医療の質を向上させながら健全な病院経営を継続するためには、経営者の責任は重大である。

また、その役割が多岐にわたり、過去の実務を通じて会得した経営手法だけでは、その責務を果たすのは難しくなってきた。特に医師として診療に時間を割かれる経営者が多い中小病院においては、なおさらのことである。

そのような中、経営を補佐し、管理能力のある人材を如何に獲得できるかが重要な鍵を握るものと考えられる。

ただし、大病院と違い200床未満の中小病院にあっては多くの経営専従のスタッフを抱えることが難しい。従って、院内の人材の中から、日常業務とともに、経営補佐ができる人材を育成していく必要が出てくる。

ここでは、まず「2025年に求められる急性期の中小病院のあり方」について、全日本病院協会(以下、全日病)の病院のあり方委員会がまとめた「病院のあり方に関する報告書」を引用し、私見も交えて述べたいと思う。

現状の急性期病院は、

1.救命救急センターなどの救急医療体制を併設する二次医療圏の基幹的役割を担う病院

2.特定の診療料(脳外科・整形外科など)に特化し急性期医療」に集中した専門病院

3.軽度-中等度の急性期疾患に対応する病院

の3つの類型に分けられる。

この3つの類型の中で、1はある程度の規模を有する大病院が多く、200床以下の中小病院は、2、3に属する病院が多い。

特に、地域に密着した急性期医療を担う中小病院は3に属することが多く、全日病がこれまで提唱してきた「地域一般病棟」が、この類型に入る。

その概念は「地域(一次医療圏・生活圏)において、連携を中心として地域医療を支える地域密着型病棟(病院)であり、地域包括ケアを推進する」である。

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相澤病院の今後の取り組み

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二次医療圏と自院および相澤病院の歴史的経緯や現在提供している医療などから相澤病院は急性期機能を発揮する病院とし病床数を減じても特化すべきとする結論に至った。

一般市民から見た場合にも病院機能を絞り込んだほうが分かりやすいと考え、病床区分は高度急性期から急性期として入院機能を発揮し、外来は紹介患者を主として診療する専門外来機能に絞るとともに北米型ER機能と救命救急センター機能が一体となった救急医療機能を発揮することとした。

しかし、相澤病院がこれまで築いてきた地域医療支援病院としての病診連携機能とそれに係る病床は、ER型救急医療と相まって在宅医療やかかりつけ医を強力に支援してきた。

相澤病院の松本市における地理的位置を考えるとこの機能を投げ出すことはできない。

このため相澤病院の病床の一部を移転させて、新たに「相澤東病院」を創設することにした。

この病院には在宅医療を支援するための病診連携を中心とする急性期入院機能(ただし、救急患者は相澤病院ERを受診し、疾患と重症度を判断してから入院すべき病床を決めて入院する)と急性期治療後の在宅復帰や転院までの期間の治療や退院支援を行ういわゆる「回復期」機能、さらには在宅療養者の生活機能障害憎悪時におけるリハビリ施行による生活機能改善の機能を持たせるつもりとのことである。

在宅療養に関しては、あくまでも主治医は「かかりつけ医」として原則往診は行わず、かかりつけ医の支援としての往診はかかりつけ医の指示の下で行い、外来は紹介外来を基本とするが病院近隣の通院可能な患者に対する一般的診察は行う予定である。

相澤東病院は近隣地域の地域包括ケアの基幹病院として、または在宅医療支援拠点として、機能させたいと考えているとのことである。

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